オープン深溝玉軸受: 完全なエンジニアリング ガイド


オープン深溝玉軸受 は世界で最も広く使用されているベアリングのタイプですが、それには十分な理由があります。 高いラジアル荷重容量、適度なアキシアル荷重処理、低摩擦、および高い回転速度を、一体型シールやシールドのないコンパクトでコスト効率の高い設計で組み合わせています。 シールがないことは妥協ではありません。これは、低トルク、高速、または頻繁な再潤滑が優先される、クリーンで十分に潤滑された環境では、オープン ベアリングが正しい選択となる意図的なエンジニアリングの選択です。いつどのようにそれらを正しく使用するかを理解することは、信頼性の高い機械設計とベアリングの早期故障を分けるものです。

オープン深溝玉軸受の定義

深溝玉軸受は、内輪、外輪、玉、保持器(保持器)で構成されています。 「深溝」という用語は、軌道の形状を指します。内輪と外輪の両方の溝がアンギュラコンタクト軸受やスラスト軸受の溝よりも深いため、軸受は一次ラジアル荷重容量に加えて、両方向のアキシアル荷重を負荷することができます。

「オープン」という指定は、ベアリングが どちらの側にもシール、シールド、クロージャーはありません。 内部コンポーネント (ボール、保持器、軌道) は完全に露出しています。これにより、オープンベアリングとシールド (2RS) およびシールド (2Z) ベアリングが区別されます。オープン構成は ISO 15 (メートル寸法) で標準化されており、6200、6300、6000、6400 シリーズなど、同じ指定システムに従ってメーカー間で互換性があります。

主要な寸法パラメータ

開放型深溝玉軸受は、内径 (d)、外径 (D)、幅 (B) の 3 つの主要な寸法によって定義されます。これらは断面に基づいてシリーズにグループ化されています。

  • エクストラライトシリーズ(6000): 最小の断面。医療機器や小型モーターなど、スペースと重量が重要な用途に使用されます。
  • ライトシリーズ(6200): 最も一般的な汎用シリーズ。コンパクトな寸法と耐荷重のバランスを実現
  • 中シリーズ (6300): より大きな断面。同じボア径でより高い負荷容量。より重い負荷がかかるポンプ、ギアボックス、電気モーターで使用される
  • ヘビーシリーズ (6400): 深溝ファミリー内の最大断面積。ラジアル荷重の大きい産業機械に使用されます。

オープン vs. シールド vs. シールド: 適切な構成の選択

オープン、シールド、シール型深溝玉軸受のいずれを選択するかは、軸受の選択において最も重要な決定事項の 1 つです。各構成は異なる動作環境を対象としています。

特徴 オープン (サフィックスなし) シールド付き(2Z) 密閉型(2RS)
汚染防止 なし 中(金属シールド、非接触) 高(ゴムリップシール、接触)
フリクション・始動トルク 最低 低い 高い(シール抵抗)
速度能力(制限速度) 最高 減少 (通常、開放の 50 ~ 70%)
再潤滑能力 フルアクセス - 簡単 限定 実用的ではない(工場で充填されている)
使用温度範囲 広い(潤滑剤のみに依存) ワイド 限定 by seal material (typically −40°C to 120°C)
最高の環境 クリーン、制御され、再潤滑可能 適度にきれいで、グリースが詰まっている 汚染されてもメンテナンスフリー
表 1: オープン、シールド、およびシール深溝玉軸受の構成の比較

重要なポイント: オープン深溝ボールベアリングは最高の制限速度と最低の摩擦損失を達成します。 あらゆる深溝バリアントの。 6206 ベアリングの場合、一般的なグリース潤滑オープン ベアリングの制限速度は約 13,000 rpm に達しますが、密閉型 6206-2RS の同等品では約 9,000 rpm であり、その差は約 30% です。

耐荷重と性能特性

オープン深溝玉軸受は主にラジアル軸受ですが、その深い軌道形状により、浅溝設計とは一線を画す、意味のあるアキシアル荷重容量が得られます。

動的および静的定格荷重

すべての開放型深溝玉軸受には、ISO 281 に従って 2 つの標準化された定格荷重が適用されます。

  • 基本動定格荷重(C): 軸受が100万回転の基本定格寿命(L10)を達成する一定のラジアル荷重。 6206 オープン ベアリングの場合、C = 19.5 kN が標準値です。
  • 基本静定格荷重(C₀): 最も負荷のかかる接触でボール直径の 0.0001 倍の永久変形を引き起こす静荷重。 6206 の場合、C₀ = 11.2 kN が標準です。

これらの値は、同じベアリングのオープン バージョン、シールド バージョン、およびシール バージョンの間で同一です。シールの有無は内部形状や耐荷重能力に影響しません。

アキシアル荷重の取り扱い

開放型深溝玉軸受は両方向のアキシアル荷重を支えることができます。一般的なガイドラインとしては、 複合荷重条件では、アキシアル荷重がラジアル荷重の 50% を超えてはなりません —ただし、これは動作速度、負荷の方向、内部すきまによって異なります。低速および中程度のラジアル荷重では、適切な解析を行うことで、静容量に近いアキシアル荷重に対応できます。

速度定格

オープンベアリングについては、次の 2 つの速度定格が公開されています。

  • 基準速度: 指定された負荷および潤滑条件下での熱的に安全な速度 - 高速アプリケーションにおける熱解析の開始点
  • 制限速度: 理想的な条件下での最大許容速度。それを超えると、潤滑膜が不十分になり、過剰な熱が発生し、急速に劣化する危険があります。

オイル潤滑のオープンベアリングは、より優れた熱放散と膜形成により、高速でグリース潤滑の同等のベアリングよりも常に優れた性能を発揮します。 6208 オープン ベアリングの場合、オイル潤滑の制限速度は通常 12,000 rpm であるのに対し、グリースの場合は 9,500 rpm です。 オイル潤滑により速度が 26% 向上します。

標準サイズと指定システム

開放型深溝玉軸受は、世界的に標準化された呼称体系に従っています。番号付けを理解することで、エンジニアはメーカー間で曖昧さなくベアリングを指定して調達できるようになります。

標準の指定形式は次のとおりです。 6 [シリーズ] [ボアコード] 。先頭の「6」は深溝玉軸受のタイプを示します。シリーズの数字 (0、2、3、または 4) は断面を識別します。ボアコード(2桁)でボア径を識別します。

指定 内径d(mm) 外径 D (mm) 幅B(mm) 動荷重C(kN) 制限速度(rpm、グリース)
6200 10 30 9 5.1 28,000
6204 20 47 14 12.8 18,000
6206 30 62 16 19.5 13,000
6210 50 90 20 35.0 9,000
6305 25 62 17 22.5 13,000
6308 40 90 23 42.3 9,500
表 2: 選択されたオープン深溝玉軸受の寸法と性能データ (ISO 15 に基づく指標値)

基本指定の後に追加されるサフィックス コードは、追加の仕様を伝えます。オープンベアリングに関連する一般的な接尾辞は次のとおりです。 C2 (内部すきまの減少)、 C3 (熱膨張用途のための内部クリアランスの増加)、 P5 または P6 (通常を上回る精度公差クラス)、および M (プレス鋼の代わりに真鍮のケージ)。

開放型深溝玉軸受の潤滑

オープンベアリングには工場で潤滑剤が塗布されておらず、保持機構もないため、潤滑は完全にアプリケーションの設計の責任となります。これは、オープンベアリングの主な利点であると同時に主なリスクでもあります。 適切な潤滑により最適なパフォーマンスが得られます。潤滑剤が不適切または不足していると、急速な故障が発生します。

グリース潤滑

グリースは、産業用途におけるオープン深溝玉軸受の最も一般的な潤滑剤です。主な選択基準は次のとおりです。

  • 基油粘度: 動作温度で適切なフィルムを提供する必要があります。周囲温度における中速ベアリングの場合、ISO VG 100 ~ 150 の基油が一般的です。
  • 一貫性 (NLGI グレード): NLGI 2 は、ほとんどの産業用途の標準です。 NLGI 1 低温または高速使用用。 NLGI 3 は、保持が必要な垂直シャフト用途向けです。
  • 充填量: 開いたベアリングには充填する必要があります 空き内部容積の 30 ~ 50% — 過剰充填により熱と撹拌損失が発生し、動作温度が最適温度より 20 ~ 40°C 上昇する可能性があります。
  • 再潤滑間隔: 速度係数(n×dm)と軸受サイズに基づいて軸受メーカーの計算式を使用して計算されます。クリーンな環境で 3,000 rpm で動作する 6206 は、通常、3,000 ~ 6,000 運転時間ごとに再潤滑が必要です。

オイル潤滑

オイル潤滑は、高速、高温で動作するオープン深溝玉軸受、またはすでにオイルが存在するギアボックス内で動作する場合に推奨されます。最小膜厚パラメータ (κ = ν/ν₁、ν は実際の動粘度、ν₁ は動作温度での必要な粘度) は次のようにする必要があります。 信頼性の高い弾性流体潤滑の場合、κ ≥ 1。 κ < 0.4 では、金属同士の接触が起こりやすくなり、摩耗が増加し、ベアリングの寿命が大幅に短くなります。

オープンベアリングの一般的なオイル潤滑方法には、オイルバス (基準速度までの速度用)、オイルジェット (高速精密スピンドル用)、およびオイルミスト (熱除去が重要な超高速用途用) があります。

オープンベアリングの内部すきまの選択

内部すきま(取り付け前の外輪に対する内輪のラジアル方向の総移動量)は、オープン深溝玉軸受の重要な選択パラメータです。多くの場合、事前に充填され、CN (通常) クリアランスでのみ供給されるシールド ベアリングとは異なり、オープン ベアリングはクリアランス範囲全体で使用できます。

  • C2 (通常より小さい): タイトなシャフトの嵌合により取り付け時のクリアランスが大幅に減少する場合、または低騒音が重要な場合に選択します。リスク: 熱膨張が考慮されていない場合、過剰な予荷重が発生します。
  • CN(ノーマル): 軽度から中程度の干渉フィットを伴うほとんどのアプリケーションのデフォルト。周囲温度に近い動作温度に適しています。
  • C3 (通常より大きい): シャフトがハウジングよりも著しく高い温度で動作する場合(例、高温のシャフトを備えた電気モーターやポンプ)、重度の締りばめが使用されている場合、またはシャフトとハウジングが熱膨張係数の異なる異種材料である場合に指定されます。
  • C4 (通常よりもはるかに大きい): 極端な温度差や大口径ベアリングの重圧入用に予約されています。

実際的なルールとしては次のとおりです。 ほとんどの電気モーターはドライブ端に C3 オープンベアリングを使用します シャフトの温度上昇と内輪のしまりばめに対応します。この用途で CN すきまを使用すると、動作温度でベアリングがほぼゼロまたは負のすきまで動作することになり、これがモーターのベアリング故障の主な原因となります。

開放型深溝玉軸受の代表的な用途

オープン深溝玉軸受は、回転機械が使用されるほぼすべての業界で使用されています。多用途性と性能の組み合わせにより、動作環境が許せばデフォルトのベアリングの選択肢となります。

電気モーターと発電機

電動モーターのシャフトサポートには、開放型深溝玉軸受が標準的に選択されています。 標準 IEC および NEMA フレーム電動モーターの 80% 以上がオープン深溝ボール ベアリングを使用しています — 通常は 6200 または 6300 シリーズ — ドライブ側と非ドライブ側の両方の位置にあります。オープン設計により、モーター巻線エンクロージャが外部から汚染を保護できる一方、ベアリングは低摩擦とモーターのグリースニップルによる容易な再潤滑の恩恵を受けます。

ギアボックスとトランスミッション

密閉されたギアボックスの内部では、開放型深溝ボール ベアリングが共有オイル バス内で動作するため、一体型シールがないことは問題になりません。オープン設計により、ベアリングを介したオイルの完全な循環が可能になり、連続的な高速ギアボックスのデューティ サイクルにおいて重要な潤滑と積極的な冷却の両方が提供されます。

ポンプとコンプレッサー

外部ベアリング ハウジングとオイルまたはグリース潤滑システムを備えた遠心ポンプとロータリー コンプレッサーは、通常、オープン ベアリングを使用します。 C3 クリアランスを選択し、スケジュールどおりにグリースを再塗布できるため、継続的な産業サービスには、工場で密封された代替品よりもオープン ベアリングの方が適しています。

工作機械主軸

高精度工作機械スピンドルには、オイルジェットまたはオイルミスト潤滑を備えた P4 または P2 精度公差クラスの開放型深溝玉軸受が使用されています。ここでは接触シールがないことが重要です。20,000 rpm 以上のスピンドル速度では、シールの抵抗により許容できない熱が発生し、達成可能な速度が制限されます。 P4 グレードの精密オープンベアリングのラジアル振れ公差は次のとおりです。 3μm以下 精密加工に求められる表面仕上げと寸法精度を実現します。

農業および産業用機器

外部ハウジングが適切な汚染排除を提供する場合、オープンベアリングはコンベアドライブ、ファン、遠心分離機、繊維機械、印刷装置で使用されます。これらの用途では、オープンベアリングの低コストと交換可能性と、定期的な再潤滑との組み合わせにより、事前潤滑された密閉ユニットと比較して最高の生涯コストが実現します。

特定の要件に対応する材料とケージのオプション

標準のオープン深溝玉軸受は、貫通硬化クロム鋼 (100Cr6 / AISI 52100) のリングとボールとプレス鋼製保持器を使用します。要求の厳しい環境や特殊な環境には、代替の素材とケージのタイプをご利用いただけます。

バリアント 材質・特徴 主な利点 代表的な用途
標準オープン 100Cr6 鋼、プレス鋼製保持器 費用対効果が高く、広く入手可能 一般産業用、モーター用
ステンレスオープン AISI 440C ステンレス、ステンレスケージ 湿潤環境または弱酸性環境での耐食性 食品加工、海洋、医療
セラミックハイブリッドオープン スチールリング、Si₃N₄ セラミックボール 40% 低い密度、高速性、電気絶縁性、長寿命 高-speed spindles, variable frequency drive motors
真鍮製保持器(末尾M) 真鍮製保持器 高-speed stability, low vibration, suitable for oil lubrication 精密スピンドル、高速モーター
ポリアミドケージ (TN9 サフィックス) ガラス繊維強化ポリアミド 低い noise, low weight, corrosion-resistant cage 家電製品、低騒音用途
表 3: オープン深溝玉軸受に利用可能な材料と保持器のバリエーション

マウントとマウント解除のベスト プラクティス

不適切な取り付けはベアリングの早期故障の主な原因であり、推定 すべてのベアリング故障の 16% SKF現場故障解析データによる。オープンベアリングは内部コンポーネントにアクセスできるため、取り付け時の汚染に対して特に脆弱です。

  1. 転動体や保持器を叩いて取り付けることは絶対にしないでください。 力は圧入されるリングにのみ加えてください。軸取付の場合は内輪のみ、ハウジング取付の場合は外輪のみに接触する取付スリーブをご使用ください。
  2. 大きなベアリングのしまりばめには誘導ヒーターを使用してください。 内輪を周囲温度より 80 ~ 100 °C に加熱すると (鋼の焼き戻しを避けるため 120 °C を超えないように)、取り付け力による損傷を排除するスリップフィット取り付けが可能になります。裸火は絶対に使用しないでください。
  3. ベアリングは、取り付けるまでは元の梱包のまま保管してください。 オープンベアリングは塵や粒子の侵入を受けやすく、作業場環境に短時間さらされただけでも粒子が侵入し、早期疲労を引き起こす可能性があります。
  4. 取り付け後はすぐに潤滑剤を塗布してください 取り付け前にベアリングの防腐コーティングを除去した場合。開いたベアリングを適切な潤滑剤なしで短時間でも作動させないでください。
  5. シャフトとハウジングがベアリングメーカーの推奨公差に適合していることを確認してください。 k5 シャフト嵌合を備えた一般的な 6206 の場合、予想されるしめしろは 0 ~ 18 µm です。この範囲内では、ラジアルすきまはしめしろ値の約 70 ~ 80% 減少します。

取り外す場合は、(ボールを介さずに)内輪に力を加える適切なベアリングプーラーを使用してください。適切なプーラーがないためにベアリングが切断されたり削られたりすることは、メンテナンス計画が不適切であることを示しており、シャフト シートに損傷を与えることがよくあります。

故障モードと診断兆候

オープン深溝ボールベアリングがどのように故障するかを理解することで、壊滅的な損傷が発生する前にタイムリーな介入が可能になります。最も一般的な故障モードとその診断インジケータは次のとおりです。

  • 疲労剥離: 軸受の定格寿命に達した後の軌道面からの材料の剥離。振動の特徴: ベアリングの欠陥周波数 (BPFO、BPFI、BSF) での周期的なインパルス。ベアリングの耐用年数の終了を示します。アプリケーション設計の失敗ではなく、予期されたものです。
  • 潤滑不良: 汚れ、凝着摩耗、または過熱。リングの変色(青み)、ボール表面の損傷、ケージの歪みに関連します。潤滑油の量が不足しているか、粘度が間違っているか、再潤滑間隔を超えていることが原因です。 潤滑不良はベアリングの早期故障の約 36% を占めます。
  • 汚染ダメージ: 硬質粒子は、軌道上にへこみ (誤ったブリネリング前駆体) や摩耗痕跡を作成します。くすんだ傷のある表面として見えます。密閉型ベアリングよりも開放型ベアリングに多く発生します。これは、環境制御の重要性を強調しています。
  • 電気的侵食: VFD 駆動のモーターでは、迷走電流がベアリングを通過し、洗濯板の模様として見えるマイクロ クレーター (溝) が軌道上に形成されます。セラミックハイブリッドオープンベアリング (Si₃N₄ ボール) は軌道回路を電気的に絶縁し、この故障モードを排除します。
  • フレッチング腐食: リングとシートの境界面に赤褐色の粉末(酸化鉄)が発生し、不適切に取り付けられたリングとそのシートの間の微小な動きによって発生します。シャフトまたはハウジングの公差が小さすぎることを示します。シャフトまたはハウジングの修理と、はめあいの正しい再仕様が必要です。
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